高齢者向けのワクチン接種がスタートしました
アメリカではケチャップ不足が深刻化しているんだそうですよ。
4/12に大阪では新型コロナウイルスの新規感染者数がはじめて1,000人を超えました。”まん延防止等重点措置”の適用も東京都などが追加されて6都道府県となりました。緊急事態宣言が解除となったのもつかの間で第4波の懸念が高まりつつあるようですが・・・みなさんはこの”まん防”と緊急事態宣言の違いをご存知ですか?どう違うのか、ということよりも、違いなんかどうでもよくなってきている、ことが問題ですよね・・・。
さて、少々コラムの更新をさぼっている間に、国内でもワクチン接種がはじまりました。4/12からは一般の高齢者向けの接種がスタートして、初日はおおよそ1,100人の方が接種をしたということです。日本全体ということでは、医療従事者向けの接種が2月に開始されていて、これまでの約2ヶ月間でおおよそ112万人の方が接種をしています(うち2回接種完了は約56万人 4/13時点)。接種のペースは今後増加していくものと思われますが、まだまだこれからというところだと思います。
世界では急速に接種がすすんでいます
一方、世界の状況はといいますと、累計の接種回数は4/13時点で約7.9億回に達しています。世界の人口78億人からすると・・・思ったより進んでいるのね、と思う方もけっこういらっしゃるのではないでしょうか。
米国は昨年12/14からワクチン接種がはじまりました。累計の接種回数は1.8億回を超えました。複数回必要な接種を「完了」した人数も7,300万人に達しており、全体の約2割以上の人が接種完了したということになります。同様に12/8からはじまった英国は、累計接種回数約4,000万回、接種完了は約11%と米国に比べて低いですが、人口の約半数が1回めの接種を済ませたところまできています。
こうした米国や英国では、ロックダウン等の措置も並行して行われているので一概にワクチンの効果とはいえませんが、確かにに新規感染者数は1月初旬をピークに大幅に減少しています。米国ではピーク時の約3割、英国では同様にピーク時の5%以下です。こうした状況を背景に米国カリフォルニア州では6/15に全面的な経済活動の再開方針を発表、英国もジョンソン首相がロックダウンの一部緩和を宣言しています。経済経済といいたい訳ではありませんが、ここでもしっかり立ち遅れるのか日本!とは、やっぱり、ちょっと思います。
安全性を不安視する人もいますが・・・
それにしても報道は相変わらず「新規感染者数が・・・」とばかりいっていて、ワクチンについても接種が進む前から盛んに「副反応が・・・」といっているような気がしてなりません。いまはネット上で解説された情報もかなり増えていますので、そちらをみて頂いた方がよいですが、ファイザー社のワクチンについては副反応のほとんどは軽度~中度であり、生活に支障が出るレベルの重度に分類される副反応で、且つ頻度が2%を超えるのは「倦怠感」と「頭痛」のみということのようです。一部で日本ではアナフィラキシーが多く発生している、といった報告もありますが、どうやら国際的な基準とは違う定義でカウントをしている情報のようです。米国CDCが発表した報告ではアナフィラキシーは100万人中2-5件程度の頻度、モニタリング上死亡例はなし、となっています。発症だけでなく、感染そのものの予防効果もあるようですし、変異株が多いアフリカでも予防効果を発揮している模様です。
私はワクチンは接種した方がよいと考えているので、どちらかというとポジティブな情報を発信したいと思っています。ただ、客観的にみても現時点では十分にリスクよりベネフィットが上回っているのは確かだろうと思います。すでに何億人と接種した人がいる上で、の情報でもあります。ちなみにですが、私のワクチン接種の順番は、スマホのニュースアプリによると”夏以降の見通し”だそうです。こういう情報が手元に届くのはとてもよいことだなと思います。
文責:伊藤 愛
伊藤 愛(株式会社CDIメディカル コンサルタント)
大阪大学大学院薬学研究科修士課程修了(薬剤師)。京都大学大学院医学研究科修士課程修了。
商社、独立系ベンチャーキャピタル、ヘルスケア・バイオベンチャー企業、経営コンサルティングファーム等を経て現職。ライフサイエンス・ヘルスケア分野を中心に、中期経営戦略等、新規事業戦略、海外展開、オープン・イノベーション戦略等、戦略立案から実行支援を含むコンサルティングを実施。