「世界最大医療機器展」 ドイツ視察記 Vol.1

~まず、はじめに~

先月、ドイツのデュッセルドルフで開催された国際医療機器展 「MEDICA2016」を、CDIメディカルの熊谷・杉本の2名が現地視察してまいりました。

MEDICAとは、ドイツで毎年開催される世界最大の医療機器見本市です。今回、我々は、「世界最先端の医療機器市場の定点観察」と「海外ネットワークの関係維持および新規開拓」を目的に訪問してまいりました。今後ここで得た知識とネットワークを生かして、海外展開の支援や利便性の高い医療機器を国内に紹介していきたいと考えています。

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今回のコラムでは、製品探索や海外ネットワークなどから得たMEDICAの魅力や最新の医療機器、またドイツの医療制度などについて4週連続でお届け致します。まず1回目は、MEDICAの概要とトレンドについてお話し致しますので、どうぞお楽しみください。

 

【熊谷匡弘 略歴】

関西外国語大学外国語学部卒、カリフォルニア大学サンディエゴ校エクステンションビジネスマネジメントプログラム修了、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科修了(MBA:経営管理修士)。キスコ・ディーアイアール株式会社、サージカルダイナミクスジャパン株式会社、タイコヘルスケアジャパン株式会社(現:コヴィディエンジャパン株式会社)を経て、CDIメディカルに参画。現在、CDIメディカル副査。「医療機器メーカーの事業戦略立案支援」、「医療機器メーカーのマーケティング戦略策定」、「医療機器メーカーの新規事業戦略開発支援」、等のコンサルティングを幅広く手掛けている。

【杉本宗優 略歴】

慶應義塾大学総合政策学部卒、ワシントン大学オーリンビジネススクール修了(MBA:経営管理修士)。KPMGあずさ監査法人、ノバルティスファーマ株式会社を経て、CDIメディカルに参画。現在、CDIメディカル副査。「医療機関の組織再編戦略立案」「製薬メーカーの中期経営計画立案」「製薬メーカーの営業体制戦略立案」、等のコンサルティングを幅広く手掛けている。

~MEDICA概要~

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英語のMEDICALに由来して名付けられたMEDICAは、1969年よりドイツで開催されている歴史のある世界最大の医療機器見本市であり、且つ世界最大の医用機器商談会です。新製品を効率良く市場に浸透させるために、MEDICAの開催時期に合わせて製品開発を行っている企業があるほど、大変注目度の高い見本市です。

今年は11/14(月)―17(木)の4日間で開催され、全世界より約6,000社が医療機器や医療サービス、リハビリ福祉機器等の製品を出品していました。そのうち日本からは同時開催していたCOMPAMED 2016(国際医療機器技術・部品展)と合わせて172社が展示参加しており、世界の販路を確保するために海外代理店と積極的に交渉していました。また来場者は、世界各地から医療関連企業や病院関係者等、約127,800人と事務局より伺っております。

MEDICAの開催場所は、ヨーロッパの日本人町と言われているドイツ・デュッセルドルフです。デュッセルドルフは日本国総領事館もあり、多くの日本食レストランやヨーロッパで一番美味しいと言われているラーメン屋も存在し、また住民の100人に1人は日本人であることなど、大変日本人に馴染みの深い街です。ドイツに訪問時に日本食が恋しくなったら、是非、立ち寄ることを検討してください。

MEDICA2016の会場内は、製品や地域のカテゴリー毎に17ホールに分かれていました。会場規模は東京ビックサイトの4倍にも及ぶ巨大な会場であるため、なかなか思ったところに辿り着けず、我々は1日1万歩以上、4日間で計5万歩以上会場内を歩き回って製品探索を行っていました。

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~MEDICAトレンド~

今回のMEDICAで特に集客力が高かったホールは、IT技術を用いたウェラブル製品や医療システムTelemedicine(遠隔治療)でした。大企業やスタートアップ企業を含め400社が技術力の高い製品を展示しており、日本でも認知度が高いSoftbankの人型ロボット ペッパー君が、このホールの集客の一役を買っていました。また予防医学分野において、慢性疾患患者に運動を促進するための健康管理ゲームやアプリなど、IT技術を使用した製品も多く展示されていました。

海外集落ブースでは、高いIT技術と医療テクノロジーを誇り、企業買収および研究開発拠点の設立が増加しているイスラエル国ブースに人気が集中していました。全てのホールを視察しましたが、一番営業活動が積極的だったブースはイスラエルだったと思います。

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その他、アメリカやEU諸国の先進国以上に、中国をはじめとする韓国・台湾企業、等のアジア諸国の参加が目立っており、心電図モニターや生体モニター等の製品性能が著しく向上していることに驚きを隠せませんでした。また発展途上国の東南アジアやアフリカ諸国から展示している企業がありましたが、まだまだ出展は限定的でした。

 

~次号について~

2回目のコラムでは、最先端の技術を生かしたユニークな製品について、詳しくお伝えしたいと思います。

(文責:熊谷)