国立大学病院の経営改革神戸大学学長と病院長の対談

国立大学が、2004年4月に国立大学法人と組織を改めてから、4年半が経過しました。この国立大学法人化は、完全ではないができるだけ経済的に自 立した経営を目指していくことが大きな目標となっています。自助努力の成果は法人自身が経営資源の投資に振り向けることができるなど自立的な運営ができる ようになりました。しかしながら、国家財政の改革に連動して、対前年1%の国費削減(大学病院は収入がコストを下回る場合、収入の2%)が毎年継続的に実 施されるとともに、病院の建物・設備にかけられていた法人化前までの投資分を、債務償還金として毎年返済していくことになりました。加えて、来年度予算か らは、各省庁の前年予算の2%が一律に集約された上で、政策的に再配分されることになり、国立大学病院に再配分されるかどうかは流動的になりました。この 方式が来年度予算編成に限られて適用されるのかどうかは不透明な状況です。結果として、財政的に大変厳しい状況に直面しているというのが実態のようです。
また、国立大学病院の医療機関という側面に目を転じてみますと、医療費抑制のために診療報酬点数(各治療の法定単価)が減額されたり、麻酔科・産科・小児 科等の医師が不足し、看護師などのコメディカルスタッフも偏在・不足するなど、経営環境は厳しさを増してきています。麻酔科の医師が不足したために手術件 数が激減したり、医師不足が深刻で病院自体を閉鎖せざるを得なくなった病院も出ています。これは中小規模の病院にとどまる話ではありません。一部では、 「医療崩壊」という表現がなされているほどです。国立大学病院は、国立大学という側面と、医療機関という側面との両方において、変革期にあるということが 云えます。
こうした環境の中、神戸大学病院は安心度ランキングで兵庫県において一位、全国でも三位に評価される医療機関となっています。(週間ダイヤモンド2008 年6月14日号参照)また、CDIで実施した住民調査、入院患者調査、外来患者調査のいずれをとりましても、他病院と比較して、きわめて高い評価を得てい ました。一方で、財政面を見るならば、決して安心していられるような状況でないこともまた、事実でした。

神戸大学は今年の初めに、安全で質の高い医療を継続的に提供していく上で、医学部附属病院の経営改革が不可避であると判断し、改革に着手 しました。CDIはそれを全面支援するべく依頼を受け、経営改革活動を半年余にわたり行いました。CDIは、パートナーの安島を総括責任者とし、CDIな らびにメディカル分野専門の関連会社CDIメディカルのメンバー6名からなるチームを編成し、大学本部には野上学長ならびに財務担当理事をはじめとする各 理事の方々のコミットメント、杉村病院長には院内に経営改革プロジェクトチームの編成をお願いしました。プロジェクト活動の概要は以下のとおりです。

Ⅰ.神戸大学病院の戦略監査

(1)大学病院の幹部・職員の問題認識の整理
(2)顧客の視点による大学病院の現状評価
(3)財務の視点による大学病院の現状評価(病院全体と診療科・部門別)

Ⅱ.神戸大学病院のH20・21年度計画の策定

(1)損益計画
(2)借入・返済計画
(3)コンティンジェンシー計画

Ⅲ.H20・21年度計画の実行体制の整備

(1)計画達成に向けた推進・管理体制の構築
(2)診療科別のデータ管理体制の構築

当該プロジェクトの特徴は、最初のテーマである「Ⅰ.神戸大学病院の戦略監査」においてはCDIが中心となって活動を行ってきましたが、計 画を前倒ししてその後のテーマに取り組むとともに、そこでは院内の経営改革プロジェクトチームと共同で具体的な改善活動を行ってきたことにあります。プロ ジェクトチームは、11の経営改革テーマごとに編成し、医師・コメディカルスタッフ・病院事務が一体となって活動しました。また、大学本部の強いコミット メントのもとに、こうした活動が行われてきました。そのために、プロジェクト期間内において、病床稼動率が90%を超えはじめたり、手術室・ICUの稼動 が予定を上回って実現し始めるなど、いくつもの成果が出てきています。

CDIの活動は「プライベート・セクター」でのお手伝いが主でありますが、今回はCDIの活動分野の一つとして大きく成長し、社会的に注目 されている「パブリック・セクター」での活動について述べたいと思います。特に今回は、神戸大学学長の野上智行先生と神戸大学病院長の杉村和朗先生との対 談というかたちで国立大学の病院改革を実際にどのように進めていったかを振りかえってみたいと思います。

(左)のがみ・ともゆき 国立大学法人神戸大学長
広島大学大学院教育学研究科修了の後、広島大学教育学部、広島女子大学家政学部、コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジを経て、平成4年、神戸大学、教 育学部教授に就任。同大学発達科学部教授、発達科学部附属人間科学研究センター長、発達科学部附属幼稚園長・附属明石小・中学校長、発達科学部長(同教育 学部長)、大学院総合人間科学研究科長を経て、平成13年神戸大学長に就任。平成15年には日本ユネスコ国内委員会委員に任命。平成16年国立大学法人神 戸大学長に就任、現在に至る。

(右)すぎむら・かずろう  神戸大学医学部附属病院長
神戸大学医学部を卒業の後、神戸大学医学部附属病院、高知医科大学医学部、島根医科大学医学部附属病院、カリフォルニア大学サンフランシスコ校を経て、平 成6年島根医科大学、放射線医学講座、教授に就任。平成10年神戸大学、放射線医学講座、教授に就任の後、副院長を経て、平成19年神戸大学医学部附属病 院、院長に就任、現在に至る。

神戸大学病院の特徴と問題

―野上先生は、国立大学法人化前から神戸大学の学長をつとめてこられましたが、国立大学病院の問題は何であると考えていらっしゃいますか。

野上:国立大学病院は、市中病院と違ってさまざまな役割を担っています。診療はもちろんですが、教育・研究という重要な役割を担っていま す。教育で言えば、現在、医師の不足が社会問題となっておりますが、医師を養成することは以前にもまして決して欠くことのできない重要な役割です。診療で 言えば、国立大学病院は地域医療の「最後の砦」として、進歩する医療に歩調を合わせながら最高のスタッフと設備をそろえて、安全かつ高度な医療を提供して いくことが求められています。また、医学の進歩のために研究は国の研究機関として国際的に卓越した最高水準の成果を目指していかなければならないことは言 うまでもありません。問題は、こうした増大していく期待と役割に充分に応えながら、財政面でも可能な限り自立した状況を保たなければならないことです。

―国立大学法人化前と今とでは、だいぶ状況が違いますか。

野上:法人化前の予算管理は正直いいまして、現在よりも甘かったと思います。月次で厳密に予算・実績管理をするというよりは、年度内に与え られた予算を消化するという発想でした。また、財政が厳しいときは、文部科学省に相談すれば何とかなるという甘えもありました。また、病院の中だけでな く、病院と取引をお願いしている企業の方々とのお付き合いも、こうした慣習を前提にしたものでした。

―特に病院は大学の中で、唯一の現業部門であるとともに、最大の財政規模を有する部門ですから、より厳密な管理が必要となるわけですね。

野上:そうです。病院は現業部門ですから日々動いています。日々の動きにすばやく手を打たなければなりません。大学の他の部門とは、経営判 断のスピードが決定的に違います。意思決定の遅れが、致命傷となる場合も想定されます。また、法人化以前は、大学本部と病院との関係は決して密接なもので はありませんでした。病院で特に問題が起こらない限り、本部が関与することはありませんでした。仮に、問題があったとしても病院は独自に文部科学省などと 相談して解決することが多かったと思います。しかし、病院を含む大学全体の財政は、大学自身が自立的に管理していくことになりましたので、法人化後は、大 学本部と病院とがより密接なコミュニケーションをとっていかなければなりません。お互いに関与せずというわけにはいきません。

―杉村先生、病院長のお立場からはどのような問題をお感じになられますか。

杉村:野上先生がご指摘された、病院はより厳密な予算・実績管理を大学本部とともに行わなければならなくなったことはそのとおりだと思いま す。加えて、申し上げるとするならば、神戸大学病院特有の歴史的背景があります。神戸大学病院は、はじめから国立大学病院として発足したのではなく、公立 病院、県立病院、県立医科大学附属病院と歴史をたどり、神戸大学に医学部が設置され、そこに国立移管されたという背景があります。従って、他の規模の大き い国立大学病院に比べると、人員・設備の状況が充分ではありませんでした。国立大学法人化後、国立大学病院として充分な体制を構築すべく、積極的に人員・ 設備を増強してきましたが、財政的には簡単なことではありませんでした。病院の質の向上と財政の健全化のバランスをいかにとるかが、大きな問題です。

―国立大学病院にふさわしく、人員・設備を増強させつつ、国立大学法人として財政の自立を目指すという、大胆かつ繊細なマネジメントを求められてきたということですね。

野上:杉村病院長とのコミュニケーションを密にしようと、病院長には大学の理事会にできるだけ参加いただくようにお願いしました。お忙しい 中、参加をいただくようになり、お互いの考えの共通点や、それだけでなく相違点も共有できたと思います。ただ、大変、困ったのは、病院の財政状況を厳密に 見ていかなければならないのですが、なかなか正確な数値が把握できなかったことです。業績の予測がかなり不安定で毎月大きく修正されていました。本来なら ば、診療科別の業績を月次で詳しく把握したかったのですが、法人化前の体質を残したままでは、とても難しい状況でした。現状が正確に把握できないのでは、 どこにどの程度の手を打てばよいのかがわからない。手を打っても効果があったのかどうかがわからない。これでは、大学本部としてどの程度の資金投入をどこ に対して行ったら良いのかの意思決定ができないということになってしまいます。

―その点は、CDIも原因の解明と制度の整備にかなりの力を要しました。問題の原因は、各組織内に正確なデータは存在するのですが、データ を組織間でやりとりする段階で不具合が生じていたことでした。病院だけでなく大学本部にも同じ問題がありました。これは、法人化前の経営スピードであれば 問題なかったのですが、経営スピードが格段に上がったところで、潜在していた問題が炙りだされてきたのだと思います。

野上:今回のプロジェクトで、診療科別の様子が月次でわかるようになるなど、業績数値がかなり詳細に把握できるようになりました。次に、 そのデータをもとに経営改革を進めていくのですが、病院スタッフの方々のモチベーションをどう維持・向上させていくかが、気がかりでした。これは、世の中 一般に受取られている印象とは異なるのですが、国立大学病院の先生方の給与水準は、民間病院の水準よりもかなり低くなっています。それで良いと思っており ません。
国立大学病院の先生方は、高度な診療だけでなく、教育研究に使命感を持って活動されています。優れた先生方が去ってしまっては、大学病院は成立しません。 経営改革を進めなければならないのですが、それは先生方をはじめ、病院スタッフの方々の高いモチベーションと共通理解があって初めて実現できるもので、大 学本部や病院幹部だけが旗を振っても充分な成果は得られないと考えておりました。

部門横断的なプロジェクトチームによる計画立案

―杉村先生、経営改革における、モチベーションの維持・向上に関してはどのようにお考えでしたか。

杉村:現場参画型のプロジェクト運営を指向し、H20・21年度計画を策定するころからは、経営改革チームを編成しました。プロジェクト チームは、病床稼動、手術室稼動、ICU稼動、医薬品、医療材料、業務委託、機器修理、診療科別管理会計など11のテーマごとに設定しました。そして、 テーマごとに、医師・コメディカルスタッフ・病院事務を部門横断的に配置しました。

―こうした活動は、あまり普段は行われていなかったのでしょうか。

杉村:委員会活動など、いろいろと部門横断的な活動はあるのですが、今回は病院長直轄のプロジェクトと位置づけ、テーマごとの目標水準を決 め、期限を切っての集中的な活動でした。ゴールがかなり明確に設定されていましたので、解決しなければならない課題は多かったものの、皆が知恵を出し合っ て解決の糸口を見つけ出していってくれたと思います。病床稼動では、看護部門と各診療科がひざ詰めで話し合いを持っていました。手術室稼動では、手術部・ 診療科・麻酔科が、真摯な意見交換をしていました。医薬品・医療材料では、医療スタッフと事務スタッフとがこれまでになく連携を深くしていました。特に、 医療スタッフと事務スタッフがここまでお互いに突っ込んだ話し合いをもてたことは大きな前進であったと思います。タブーをなくした真剣な話し合いの結果、 新しい院内の仕事の進め方が考案されたり、新しい取引先

企業との仕事の進め方が考案されたりしました。すべて自主的な取り組みでした。経営改革のテーマと解決法を自分たちのものだという実感を持っていただけたのではないかと思います。

―学内・院内の各部門はそれぞれに努力をされていたので、ほとんどの問題と解決策のヒントは、各部門間の連携のところにあったと思います。

杉村:加えて、今回のプロジェクトは、大学本部と病院幹部・病院現場が連携できたことも大きかったと思います。これまでは、病院にしてみると、大学本部は病院のことがわかっていないので、事細かに説明しなければならないし、説明した割には勘違いが多い、と感じることが
多かったのです。一方で、病院サイドにも「親の心、子知らず」のようなところがあったのだと思います。今回のプロジェクトの最中でもこうした軋轢はありま した。しかし、コミュニケーションを続けてきたおかげで、ようやく、大学本部・病院幹部・病院現場の間に意思決定に関する大きな流れが出来上がったと思い ます。野上学長の継続的なコミットメントが、病院スタッフのモチベーションを喚起してくれたのだと思います。

野上:学長としては、今回出来上がった大学本部と病院との間の大きな流れを大切にしていきたいと思います。病院長の部門横断的で現場参画型 の経営改革チーム編成が、スタッフの心意気を更に高めることにつながり、業績回復に結びつき始めているのだと思います。これからも、大学本部と病院幹部が 一体となって、継続的にコミットしていくことが必要と感じております。

計画の推進体制

―新たに、病院事務部門に診療科支援チームと診療情報分析チームが設置されましたが、その試みについてお話いただけますか。

野上:病院経営の基本は各診療科にあると思います。今回、診療科ごとに経営目標を設定するとともに、診療科ごとの実績が毎月、明確になるよ うにしました。診療科ごとの目標、管理をお願いしたわけです。しかし、診療科の先生方にお願いするだけでは不充分であり、診療科の先生方をサポートする仕 組みも合わせて導入したかったのです。病院事務の中堅の方を数名選抜し、病院長が直轄する形でチームを編成し、診療科の先生方の立場に立って支援すること を目的としています。先生方の要望や悩みを伺いながら、解決策を考えていき、時には病院幹部や大学本部を説得していく役割を期待しています。はじめての試 みですから、

最初から100点満点とはいかないかもしれませんが、息長く定着させていきたいと思います。また、そうした活動を通して病院のマネジメント力が高度化されることを期待しています。

杉村:診療科支援チームのメンバーとは、毎週、定期的に会合を持つとともに、必要に応じて随時意見交換をし、診療科の状況をできるだけ早く 把握できるようにしています。また、診療情報分析チームは、定期的に見直されていく複雑な診療報酬などを熟知している専門スタッフを集めて、各診療科が具 体的にどのような活動を行えば、より良い経営ができるようになるのかを考え出していく専門チームです。ここで考案される施策を、診療科支援チームを通じ て、各診療科に浸透させていくことを予定しています。このチームの設置もまた、新しい試みですので、継続的にレベルアップを図っていきたいと思います。

―患者さんの目線に合わせて診療科が診療を行っていき、その診療科の目線に合わせて病院事務がサポートしていくということですね。一般に病院事務の戦力化の必要性が言われていますが、その活動を先取りした国立大学病院の中でも先端を行く試みだと思います。

杉村:また、病院を大学本部がどのようにサポートしていただけるのかも、今回明らかになったと思います。病院の経営計画を立て、計画以上の 成果を実現した場合、その一部を病院経営への投資財源として追加して活用できることが明確になりました。これは、病院サイドにとってはわかりやすいインセ ンティブで、その時々に必要な、人員や設備の整備にまわすことができます。病院も経営改革には積極的に取り組んでいく覚悟ですが、精神論だけでは継続はむ ずかしく、合理的な改革のインセンティブは不可欠でした。それが、明確になったことは病院長として、大変、勇気付けられます。

経営改革における外部組織の活用

―プロジェクト推進において、CDIを起用されましたが、どのように評価をされていらっしゃいますか。

杉村:当初、大学本部からコンサルタントの活用を勧められましたが、懐疑的でした。これまでいくつかのコンサルタント会社とお付き合いし、いろいろと調べられて、さまざまな提言をして
いただきました。確かに、指摘される内容はもっともなのですが、それはわかっていて、問題はそれをいかに組織に実行・定着させるかであると考えていました。その意味で、はじめは疑問

をもっていました。ただ、CDIは違いました。かなり現場に入り込んで、何故できないかを徹底的に掘り下げていました。各ポジションにいる 病院スタッフの心の機微までを細かに理解しながら、どうしたら実行できるかを一緒に考えてくれました。時には、病院現場とかなり激しいやり取りをされてい ましたね。「骨の太いスタッフ」が結構いらっしゃるなと思いました。加えて、その過程でうちの病院スタッフの良いところも、かなり発見してもらいました。

―そうでした。診療科毎の分析などは事務の方が結構しっかりとされていて、蓄積もしていたのですが、日の目を見ていませんでした。もったいないと思いました。これからは、分析結果をビジュアル化して、よりわかりやすく提供されていかれることと思います。

野上:大学では、皆、個々にはとてもがんばっているけれども、全体としてみると、なかなか力が結集させられない。個々のがんばりを、全体 の中に位置づけなおして協力体制を構築する必要性がありました。簡単なことではなく、外部の力が必要だと思いました。また、大学病院は教育・研究という民 間組織とは違う役割を担っているので、そこのことをよく理解していただい
ている外部の方である必要性もありました。CDIの起用は当初、賭けでもありましたが、充分応えてくれたと思っています。大学本部と病院との太いパイプが構築できたと思います。

これからの神戸大学病院

―経営改革はこれからも続けていかれると思いますが、今後の神戸大学病院についてどのように考えていらっしゃいますか。

杉村:大学病院には、教育・研究・診療の3つの役割があります。病院の収入は法人化前の150億円から今年度予想の220億円まで増やして きました。財政の可能な限りの自立化に向けて、診療事業の生産性を徹底的に向上させてきました。しかし、生産性向上による増収には限界があり、どこかでプ ラトー状態になります。その定常状態にきたときには、教育・研究・診療の3事業をバランスよく財政的に運営できなくてはなりません。現在は財政面に力点を 置いた経営改革を行ってきておりますが、それをできるだけ早く解決・定常化させ、教育・研究・診療事業の内容の充実・発展により力点を置いた経営に進化さ せていくことが、必要と考えております。

野上:国立大学病院の経営環境はとても流動的です。国立大学法人をどうしていくのか、国立大学病院をどうしていくのか、文部科学省・厚生労働省・財務省などの行政の見解も確定的ではないと思われます。時々の政治情勢によっても左右されるかもしれません。

これからも大型の設備投資をしなければなりません。心配の種は尽きません。しかし、重要なことは、どのような環境になったとしても、構成員 が自分たちの将来ビジョンを持ち、自分たちのやるべきことをきちんとやるという構えだと考えております。学長の力強いリーダーシップがますます求められて くると考えております。

―本日はどうもありがとうございました。

(文責:あじま たかとも コーポレイトディレクションパートナー、CDIメディカル代表取締役CEO)